喜寿のスピーチ

　先日ある会で喜寿のお祝いを頂いた時、スピーチをすることになりました。その一部をご紹介しますと、小体で有名な人物と言えば、先づ頭に浮かぶのは、猿面冠者の秀吉です。
　昔から豪傑酒を好み、英雄色を好むといいます。秀吉も大の色好みでした。
　そこへくると、この私は酒は好まない、女性には手を出さない、この世に生を享けて七十七年、結婚以来五十数年、只ひたすらに“オカアチャンオンリー”他の女性は全く知らない。石部金吉のサンプルでしょうか・・・。そんな事を話して席に戻りますと、前の席の方が「井奈波さんの奥さん幸せだわ、一人占めでエーナー。」と言われますと、私の左の席の方が「それは今はと言うことだわ、昔はちがうよ、昔はそんな事ないと言うことだわ」これを聞きますと、若い時の浮気はした方が男らしいとも受取れますし、今は元気が無くなってもう駄目になったから、と言うことか、どっちでしょう。私は苦労を共にして来た妻を裏切らなかったと言いたかったのですが・・・どっちでしょう。